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■心の傷は、放っておいても解消しない。

学校で勉強した英語とか算数の知識は、時間と共に薄れていきます。

ところが、辛い思いをしたことは、同じような辛いことが起こると、とても辛くなります。

■条件付け

ブザーを鳴らして、電気ショックの苦痛を何度も与えます。
すると、ネズミは苦痛に耐えるために筋肉を硬直させ、体をこわばらせます。
ブザーを鳴らしただけで、体をこわばらせるようになるまで、何度も繰り返します。

それから、数日後以降でも、ブザーが鳴るだけで、ネズミは体をこわばらせます。
この恐怖は、恐怖の消去をしない限り、ずーっと残ります。


■恐怖の消去

ブザーを鳴らしても、電気ショックは与えない。
これを繰り返すと、ネズミは次第に、ブザーが鳴っても体をこわばらせなくなります。

身の安全が確信できる事実を体験すると、恐怖の消去ができます。
これから先は、ブザーが鳴っても体をこわばらせません。


■恐怖の消去時の脳の状態

恐怖の消去は、脳の前頭前野（おでこの後ろの部分）で行っています。
そこで、前頭前野の機能を低下させる処理をしたネズミは、上手に消去できません。

反対に、前頭前野の機能を活発にする処理をしたネズミは、通常より少ない回数で恐怖の消去ができます。


■トラック運転手はPTSDになりにくかった。

ベトナム戦争時、トラックの運転が任務だった兵士のPTSDは、少なかったそうです。
トラックの運転手になると、居眠り運転しないようにと、1日8時間半寝る義務があったのです。

睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があって、1時間半の周期で繰り返します。
レム睡眠時に記憶の整理をしています。
凄惨な殺戮の現場にいる時に心が傷ついても、安全な場所に来たときに、睡眠時間が長いので、今自分は安全だという心の整理を数多くできたのが一つ。
睡眠時間が長いので、すっきりして脳の働きが活発だったためです。


■現在の私たちに必要なもの

日本では、睡眠時間を削ってまでも仕事や勉強に長時間励むことが美徳とされています。

すると、脳が疲れ、レム睡眠の時間も少ないので、心の傷がなかなか癒えないのです。

そこで、自己催眠による、積極的なストレス解消が必要なのです。

すると、心の傷から解放され、なりたい自分になれるのです。

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